第7回 縄文の先進地 長野県指定史跡 池之平御座岩遺跡
御座岩遺跡は、白樺湖北岸のほぼ中央から緩傾斜で湖心に突出した安山岩の岩塊群である。
この地は標高1400メートルの高地であり、ここから東方の雨境峠を越えて佐久ヘのコースは
古東山道の役の行者越えとよばれ、北方へは100メートルほどで大門峠(標高1441メートル)
へ通ずるなど、古くからの交通の要衝であった。白樺湖は昭和21年に造成された人造湖であるが、
28年に滅水した時、御座岩の南側に岩穴が現れ、先土器時代の石器、縄文早期から晩期に
かけての石器、土師器、須恵器、幣玉、宋銭、鉄器などの古代から歴史時代に至る遺物も
発見された。なかでも、滑石製模造品としての幣玉の出土は、この岩を磐座として峠神に旅の
安全を祈願したものと云われている。
【「御座岩遺跡案内板 長野県教育委員会 茅野市教育委員会 柏原区 作成」より】